子供がほしいとの熱意から渡米して、サンフランシスコにある太平洋生殖医療センター(PFMC)という不妊治療の専門機関に通になった。
PFMCが通院希望者向けに出しているパンフレットによると、「アメリカで初めての民間・体外受精センターとして作られた機関」である。
10年を超える経験によって、不妊治療のために「あらゆる先進妊娠技術を提供する」ことが売り物だ。
人工受精からはじまって、卵管内に卵子と精子を注入するギフト法、卵管内に受精卵を移植するジフト法、提供卵子による体外受精法、体外受精と代理母による方法など、その人の状況に合わせたアプローチを行うとしている。
さらにパンフレットを読み進むと、「PFMCでは千ケース以上の体外受精による赤ん坊を誕生させていて、その成功率も医学論文雑誌によるとアメリカでもっとも高い」と堂々と宣伝している。
他の病院との比較はもちろん、自分たちの得意技術を宣伝することも禁じられている日本から見ると、驚くほど出産医療がビジネス化されている。
なにしろ、「もし成功しなかった場合には基本料金の半分を返却します」とまで宣言しているのである。
先の日本人夫婦の依頼を受けたPFMCでは、アメリカに住む日本人男性の精子を精子バンクから取り寄せるとともに、留学中の日本人女性の卵巣組織から卵子を採取した。
そして精子と卵子を体外受精させて受精卵になったところで、白人女性の子宮に移植し、着床にも成功して、妊娠を成立させたのである。
いうまでもないが、ごく普通の妊娠・出産では「妻の卵子」と「夫の精子」が「体内で受精」して、「母となる妻の子宮に着床」というプロセスを経る。
ところがこのケースでは、2人の愛の結晶、自分のお腹を痛めた、などといった言葉から離れて、すべて人まかせでわが子作りが進行している。
生まれてきた子供がなぜか夫婦の実の子供となるシステムの不思議も含めて、多くの人を驚かせるのに十分なニュースであった。
しかし、このPFMCなど、アメリカの不妊治療専門の医療機関への日本側窓口をつとめている「代理母出産情報センター」のWゆき代表は、「この程度のニュースは驚くような話ではありません。
不妊治療に関して日本は遅れすぎで、生殖技術の情報が一般の人たちに知らされなさ暗すぎるし、徹底した不妊治療を行っている病院や医院もないに等しいのです」という。
「どうしても子供が欲しいという人たちのための生殖技術は多種類あって、その症状に応じて治療を施すビジネスが、アメリカのいくつかの州では確立しています。
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